アストロウイルスで集団感染 食品由来でなく“嘔吐物処理などの不十分さ”が原因か
■ノロウイルスと同じノンエンベロープウイルス――次亜塩素酸水での対策が重要
11月、千葉県習志野市内の小学校でアストロウイルスによる感染症胃腸炎の集団感染が発生したと報じられました。感染者数は51名
県によると、複数の児童が嘔吐や下痢などの症状を訴え、検査の結果アストロウイルスが検出されたとのことです。
今回の事例で注目すべきは、給食からは不備が見つからず、食品を介した感染ではないと自治体が明言している点です。
つまり、ウイルスが校内に持ち込まれ、その後の嘔吐物・下痢便などの処理が適切に行われなかった可能性が指摘されています。
■ アストロウイルスとは?
アストロウイルスは、乳幼児や小児を中心に胃腸炎を引き起こすウイルスで、
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嘔吐
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下痢
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発熱(多くは軽度)
といった症状が表れます。
一般の認知度は高くありませんが、実はノロウイルスと同じ「ノンエンベロープウイルス」に分類されます。
■ノロウイルスと同じ“アルコールが効きにくいウイルス”
アストロウイルスもノロウイルスと同様、
アルコール消毒では十分に不活化できません。
そのため、トイレや床に残ったウイルスが手指や衣類を通して広がる「二次感染」を起こしやすい特徴があります。
今回の集団感染についても、自治体は
なんらかの形で校内にウイルスが持ち込まれ、
嘔吐や下痢の際、消毒が不十分だったとみている
と発表しています。
嘔吐物や下痢便の処理は、初動の対応が極めて重要です。
乾燥した汚れを放置すると、目に見えないウイルスが空気中に舞い上がることもあります。
■次亜塩素酸水(ジェスパ)が効果を発揮する理由
ノンエンベロープウイルスに対しては、
次亜塩素酸系の除菌剤が有効です。
ジェスパは弱酸性でありながら、80ppmの有効塩素濃度を安定して保持できるため、
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トイレの便座裏
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床面の汚れ
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嘔吐物の処理後の広域除菌
などに適しています。
刺激が少ないため、学校や保育所などでも扱いやすく、
現場の「安全に素早く使える除菌水」として支持されています。
施設で特に注意すべきポイント
アストロウイルスは認知度が低いため、対策が遅れがちです。
しかし、ノロウイルスと同じ対策を取ることで、二次感染を大幅に防ぐことができます。
嘔吐物・下痢便の処理後
周辺半径最小約1.6mはウイルスが飛散している可能性があるので、床面を中心に噴霧
●トイレの接触部位を重点的に
便座裏、レバー、ドアノブ、手すりは特に汚れやウイルスが付着しやすい場所です。
共有スペースの拭き上げ
教室・共用部の机や床も広く拭き上げておくと安心です。
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まとめ
今回のアストロウイルス集団感染は、
食品が原因ではなく、施設内での処理対応の不備が広がりを招いた可能性が示されています。アストロウイルスは、ノロウイルスと同じノンエンベロープウイルスであり、
次亜塩素酸水による環境除菌が有効です。冬場はあらゆる感染症が重なりやすい季節ですので、
学校・保育所・施設では、日頃からトイレや共用部を適切に除菌し、
二次感染を起こさない環境づくりが重要になります。







