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横浜市 黄色ブドウ球菌による食中毒 追報(指導内容)
8月5日記者発表資料
うなぎ弁当による食中毒の第二報として、横浜市保健所が発表資料として内容を公開したため、
今後、食中毒対策の参考に一部内容を転記しております。
飲食店調理従事者の方、施設の調理従事者の方は、ご参考にしていただければと思います。
4 推定される食中毒発生の要因と指導内容
推定される要因 | 指導内容 | |
調 理 施 設 内 | 調理に従事していた従業員の手洗いが不十分であ り、手袋の着用実態も認められなかったことから、 従業員の手指を介した汚染の可能性がある。 | ・手洗い器は常時使用できる状態を保ち、手 洗い方法(頻度、使用する薬剤及び使用方 法)について見直すこと。 |
当日は、体調・手指の傷等の健康状態に関する記録 表が十分に記載されておらず、責任者による健康状 態の確認もできていなかった。 | •調理従事者の手指の傷、荒れ等を含む健康 確認を徹底し、記録を適切に実施すること。 また、手指の傷等が確認された場合は、手袋 の着用等の対策を徹底すること。 •HACCPに沿った衛生管理の記録を適切に行 うこと。 | |
調理施設内のふきとり検査で同菌が検出されたこと から、施設が汚染されていた可能性がある。 | •施設内や調理器具等は適切に清掃消毒を実 施すること。 | |
そ の 他 | 営業者による従業員への十分な衛生教育が行われて いなかった。 | ・全ての調理従事者に、本件をふまえた衛生 教育を受講させること。 |
弁当の一部は、調理場の外である客席で盛付を行っ ていた。 | ・許可を得た調理場以外での調理行為を行わ ないこと。 | |
販売された弁当が長時間保管されたことにより、同 菌が当該食品中で増殖した可能性がある。 | •営業者で定めた食品の保管時間と保管方法 を遵守すること。 | |
当日の調理工程の全体(各従事者の作業内容)を把 握している者がおらず、作業に応じた衛生上の指示 や教育が適切に行われていなかった可能性がある。 | •調理工程ごとの衛生管理が適切に行えるよ う体制を整えること。 •営業者で定めたHACCPに沿った衛生管理を 徹底すること。 | |
生産能力を上回る弁当•総菜の調理を行ったこと で、従来の工程と異なる作業や保管が生じ、食中毒 発生の危害を増大させた可能性がある。 |
※HACCP とは食品の製造工程を分析し、重要な管理点を定めて管理することにより食品の安全を
衛生管理の手法です。原則全ての事業者に「HACCP に沿った衛生管理」が制度化されています。
ジェスパは平成20年8月に第三者機関にて、黄色ブドウ球菌の効果検証を実施しています。
今回検出された原因菌は黄色ブドウ球菌ですが、「推定される要因」に記載されている内容を施設の現状と照らし合わせて、再点検してはいかがでしょうか。
発表資料の原文はこちらからダウンロード可能です。
リンク先は、横浜市記者発表2024年度 です。
リンク先が消失した場合、原文はこちらにもアップロードしています。

黄色ブドウ球菌による食中毒
横浜市の百貨店で黄色ブドウ球菌の食中毒
横浜市の百貨店で、7月24日から25日にかけて販売されたうなぎ弁当が原因で、161人の方が、下痢やおう吐の症状を発症。
保健所が検査の結果、黄色ブドウ球菌による食中毒と断定。
また、90代の方が1名お亡くなりになっていますが、食中毒による因果関係は不明としています。
黄色ブドウ球菌とは?
1 黄色ブドウ球菌とは?
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は、ヒトや動物の皮膚や鼻腔に常在する細菌で、特定の条件下で食品中に繁殖し、毒素を生成します。この毒素が食中毒を引き起こします。
2 食中毒の症状
黄色ブドウ球菌による食中毒は、摂取後数時間以内に発症することが多く、症状には以下が含まれます:
- 吐き気
- 嘔吐
- 腹痛
- 下痢 これらの症状は通常24時間以内に治まりますが、重症の場合は医療機関を受診する必要があります。
3 食中毒の原因
黄色ブドウ球菌による食中毒の主な原因は、不適切な食品の取り扱いです。特に次のような状況で発生しやすいです:
- 手洗いの不徹底
- 加熱不足
- 保存温度の不適切
- 調理後の長時間放置
黄色ブドウ球菌が繁殖する人体の場所と予防のポイント
<鼻腔>
繁殖場所:
- 黄色ブドウ球菌は特に鼻腔内に多く常在しています。健康な成人の約30%が鼻腔に黄色ブドウ球菌を保有しています。
予防ポイント:
- 手洗いの徹底:鼻をかんだり、鼻に触れた後は必ず手を洗う。
- マスクの使用:特に調理中にマスクを使用することで、飛沫による食品汚染を防ぐ。
<皮膚>
繁殖場所:
- 皮膚表面、特に湿った部位(腋の下、鼠径部など)に繁殖しやすいです。
予防ポイント:
- 清潔を保つ:日常的にシャワーを浴び、皮膚を清潔に保つ。
- 傷の手当て:皮膚に傷がある場合は、適切に消毒し、包帯などで保護する。
<口腔内>
繁殖場所:
- 口の中や喉にも存在することがあります。
予防ポイント:
- 口腔ケア:歯磨きやうがいをこまめに行い、口腔内を清潔に保つ。
<手>
繁殖場所:
- 手の表面に菌が付着しやすく、手を介して食品や他の物に菌を広げるリスクがあります。
予防ポイント:
- 手洗いの徹底:調理前、トイレ後、ゴミを触った後など、頻繁に手を洗う。
- 手袋の使用:調理中に手袋を使用することで、手からの汚染を防ぐ。
気をつけるポイント
1 衛生管理
手洗いは基本中の基本です。調理前後やトイレの後、鼻をかんだ後など、こまめに手を洗うことで、黄色ブドウ球菌の拡散を防ぎます。また、調理器具や調理台の清掃も重要です。
2 食品の適切な保存
冷蔵庫や冷凍庫を適切に使用し、食品の保存温度を管理することが重要です。特に生肉や乳製品などは、長時間室温に放置しないよう注意しましょう。
3 十分な加熱と毒素の問題
黄色ブドウ球菌自体は加熱処理で死滅させることができますが、この細菌が生成するエンテロトキシン(毒素)は非常に耐熱性があり、通常の調理温度では分解されません。そのため、細菌を加熱処理で殺すことはできても、既に生成された毒素が残っている場合、食中毒のリスクは依然として存在します。
対策:
- 十分な加熱:食品を中心部までしっかりと加熱し、細菌を殺す。
- 適切な保存:細菌が毒素を生成する前に食品を適切に保存し、早めに消費する。
- 衛生管理:調理器具や手の清潔を保ち、細菌の繁殖を防ぐ。
<まとめ>
黄色ブドウ球菌による食中毒は、適切な衛生管理と食品の取り扱いで予防可能です。特にエンテロトキシンの耐熱性を理解し、菌の繁殖を防ぐことが重要です。日常生活でのちょっとした注意が、食中毒のリスクを大きく減少させます。家庭や職場での食品衛生に気を配り、安全な食生活を心がけましょう。
また、ジェスパは平成20年8月に第三者機関にて、黄色ブドウ球菌の検査を実施しています。
黄色ブドウ球菌の特徴を理解し食中毒対策にお役立て下さい。

新型コロナ感染拡大「 KP.3 」
各地で新型コロナ感染者が急増
感染者が急増している新型コロナウイルスですが、新たな変異株
KP.3の影響と言われています。
2024年3月、アメリカで初めて確認された新型コロナウイルスの新たな変異株「KP.3」は、世界中で注目を集めています。これまでに流行した他の変異株と同様に、KP.3も特有の特徴を持ち、感染拡大のリスクが高まっています。
KP.3は従来の変異株に比べて感染力が高く、短期間で多くの人々に感染する可能性があります。
KP.3とは
新型コロナウイルスの変異株の中で、オミクロン株(B.1.1.529系統)は特に注目されてきました。KP.3もこのオミクロン株の変異型であり、いくつかの共通点と独自の特徴があります。
オミクロン株とは
オミクロン株は、2021年11月に南アフリカで初めて報告された変異株です。この株は非常に多くのスパイクタンパク質の変異を持ち、急速に広まりました。オミクロン株にはいくつかのサブライン(亜系統)があり、これまでに多くの派生型が確認されています。
KP.3はオミクロン株の亜系統の一つです。つまり、オミクロン株の遺伝的変異を受け継ぎつつ、新たな変異を持つウイルスです。
そのため、オミクロン株でウイルスの不活化検証をしているジェスパを使用して感染防止対策にお役立て下さい。

手足口病 定点あたり報告数 前週比34%増加、トップは三重県
全国の状況 第26週(6/24~6/30)
国立感染症研究所から第26週(6/24~6/30)データの状況を感染状況の多い、都道府県を抜粋。
全国数値のため、各自治体が公表する数値よりも1週間程度遅れています。
全国報告数26,544人 定点あたり報告数 8.45人
都道府県 | 報告数 | 定点あたり報告数 | |
1 | 三重県 | 1000 | 22.73 |
2 | 兵庫県 | 1731 | 13.42 |
3 | 鹿児島県 | 653 | 12.8 |
4 | 香川県 | 357 | 12.75 |
5 | 埼玉県 | 2027 | 12.51 |
6 | 滋賀県 | 427 | 11.86 |
7 | 岡山県 | 617 | 11.43 |
8 | 岐阜県 | 595 | 11.23 |
9 | 富山県 | 317 | 10.93 |
10 | 静岡県 | 954 | 10.72 |
11 | 徳島県 | 243 | 10.57 |
12 | 広島県 | 764 | 10.47 |
13 | 奈良県 | 346 | 10.18 |
14 | 栃木県 | 487 | 10.15 |
15 | 東京都 | 2609 | 9.88 |
16 | 愛知県 | 1789 | 9.83 |
17 | 千葉県 | 1220 | 9.68 |
18 | 熊本県 | 482 | 9.64 |
19 | 山口県 | 411 | 9.56 |
20 | 福岡県 | 1123 | 9.36 |
このほか、警報基準の5.0を超えている、道府県は36となっています。
手足口病:大人も注意が必要な感染症
手足口病は、エンテロウイルスによって引き起こされる感染症で、主に乳幼児や子供に多く見られます。しかし、大人もまれに感染することがあり、その際のリスクや対処法について理解しておくことが重要です。
子供が感染しやすい理由
子供は免疫力が未熟なため、手足口病のウイルスに対する抵抗力が低く、感染しやすいです。特に、幼稚園や保育園など集団生活をしている子供は、接触機会が多いため感染リスクが高くなります。
大人が感染した場合のリスク
大人が手足口病に感染すると、次のようなリスクがあります。
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重症化のリスク: 大人が感染すると、子供よりも症状が重くなることがあります。特に、発疹の数や痛みが強く、高熱や全身の倦怠感が顕著に現れることが多いです。
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症状の長期化: 子供に比べて症状が長引く傾向があり、特に口内の潰瘍が治りにくく、食事や飲み物を摂る際に長期間痛みが続くことがあります。
-
合併症のリスク: まれに大人でも髄膜炎や脳炎などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。これらは早期に医療機関での対応が必要です。
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免疫力低下時の感染: 慢性疾患を持っている場合や免疫抑制療法を受けている大人は、感染しやすく、症状も重くなることがあります。
回復後も、糞便にウイルスが含まれている可能性
手足口病が完治した後も、感染者は数週間にわたってウイルスを含んだ糞便を排出することがあります。この期間中は以下の点に注意する必要があります。
注意点
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トイレの衛生管理: 感染者が使用したトイレは、定期的に除菌を行うことが重要です。特に便座やフラッシュレバーなど、手で触れる部分は徹底的に清掃します。
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手洗いの徹底: トイレ使用後には必ず石鹸と水で手を洗います。また、おむつ替えの後や糞便に触れた後も同様です。手洗いを怠ると、他の家族や同居人に感染を広げるリスクが高まります。
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おむつの処理: 小さな子供が手足口病にかかった場合、おむつの処理には特に注意が必要です。使用済みのおむつは密閉できる袋に入れてから廃棄し、手洗いを徹底します。
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食事の前後の手洗い: 食事の前や調理の前にも手洗いを徹底します。これにより、ウイルスが食べ物や食器に付着するのを防ぎます。
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家族への周知: 家族や同居人にも手足口病の特性と予防策を周知し、感染拡大を防ぎます。特に免疫力が低い高齢者や慢性疾患を持つ人がいる場合は、感染防止策を強化します。
感染予防策の実践
手足口病が治癒した後も感染予防策を続けることで、家族内やコミュニティでのウイルス拡散を防ぐことができます。これらの対策を徹底することで、再感染や他の人への感染を予防できます。
まとめ
手足口病は通常、数週間で症状が治まりますが、完治後もウイルスを排出し続けるため、適切な衛生管理が重要です。特に、トイレの使用後やおむつの処理の際には、徹底した手洗いや消毒を心がけることで、他の人への感染を防ぐことができます。家族全員がこの感染予防策を理解し実践することで、安全で健康な環境を維持することができます。
流行期には特に、トイレ個室内、おむつ交換台付近、こどもたちが触れるおもちゃなど、ジェスパを噴霧して、感染予防にお役立て下さい。


ジェスパ災害備蓄シール
災害備蓄品としてのジェスパ
ジェスパ20L 10Lに貼り付けられる、災害備蓄品シールを作成しました。
ジェスパの有効期限は製造日から1年ですが、水を使用しない希釈不要タイプのため、水が使用できない災害時に利便性がさらに高まります。
使用期限から逆算して消費することも可能ですので、備蓄用として保管されている場合は、こちらのシールをご利用下さい。
中央部に貼れるようなサイズ感にしています。

シールは、ジェスパを使用した事がない方が見ても、どのようなものかわかるような名称を記載しています。
ご希望の場合、ご注文時にお申し付け下さい。FAX注文用紙、WEBからのご注文の際には、備考欄に「備蓄シール希望」と明記して下さい。

過去の震災ではトイレの衛生問題が課題に
震災では避難所における、衛生問題が課題となります。
トイレという点においては、人が集まった時点から発生します。
水が使用できないため、排泄物で溢れ感染症胃腸炎の一因にもなります。
東日本大震災の際、宮城県や岩手県の避難所でノロウイルスによる集団感染が発生した事例が報告されています。これらの避難所では、清潔な水の確保が困難で、トイレの衛生状態が悪化したために、感染症のリスクが増大しました。
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清掃と消毒の不足:
- 避難所のトイレや共用スペースの清掃が十分に行われず、ノロウイルスなどの感染リスクが高まりました。
- 特に、嘔吐物や排泄物の適切な処理がされない場合、感染が広がるリスクが増加します。
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適切な消毒剤の備蓄:
- 避難所には次亜塩素酸ナトリウムなどの有効な消毒剤の備蓄が求められますが、十分に確保されていない場合があります。
- アルコール消毒液はノロウイルスに対して効果が低いため、次亜塩素酸ナトリウムなどの適切な消毒剤を使用することが重要です。
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手指衛生の徹底:
- 避難所では、手洗いの徹底が求められますが、水の供給が不安定なため、手指の衛生状態を保つことが困難です。
- アルコール手指消毒剤は限られた効果しか持たないため、より効果的な方法を模索する必要があります。
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衛生教育と啓発活動:
- 避難所での衛生教育や啓発活動が不十分であるため、感染症の予防策が適切に実施されていないケースがあります。
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避難所の運営体制の強化:
- 避難所の運営スタッフが不足している場合、清掃や消毒などの衛生管理が行き届かないことがあります。
- 運営体制の強化とボランティアの活用が重要です。
災害用トイレでも活躍する、消臭、除菌機能を持った、凝固剤にこにこパウダーもございます。

